日本のキャッシュレスの現状はどうなっているのか?その2

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前回の続きから。

 

経済産業省が公表している「キャッシュレス・ロードマップ2019」というレポートから日本のキャッシュレス動向について内容をまとめる。

日本のキャッシュレスの動向

・2020年の東京オリンピック、2025年の日本国債博覧会や、訪日外国人旅行者の増加からインバンド需要の拡大が期待されている。

・2016年の日本再興戦略では主要観光地における100%のキャッシュレス対応、決済端末のIC対応が目標として加えられた。

・現金決済によるコストは年間約1.6兆円を超えるコストが発生している

・小規模事業者のキャッシュレス導入には「導入コスト」「運用・維持コスト」、「資金繰り」の3つのハードルがある。

・コード決済は決済専用の端末がなくても導入可能なためコストを抑えることができる。

・コード決済に利用されるQRコードは取り扱う情報を大きくすることができるため、割引や優待を自由に追加できる。

・10月をめどに金融機関共通の銀行口座直結「スマホQRコード決済」の提供が予定されている。

・LINE Payは銀行口座ではなく、LINE Payアカウントを用いて送金する。簡単なメッセージ送信、送金依頼、割り勘も可能。

・SBI Ripple AsiaはMoney Tapを提供。Ripple者の分散台帳技術(DLT)を活用している。

キャッシュレスの推進をするために解消すべき課題はオペレーション、キャパシティ、セキュリティ、コストの4つがある。

・三菱UFJフィナンシャル・グループはAkamaiテクノロジーと共同でブロックチェーン技術を開発し、利用することで課題解決を目指している。

・このインフラが決済事業者やIoTサービス事業者に活用されることを期待してGlobal Open Network社を共同設立し、2020年からの新たな決済ネットワーク提供を目指す。

・三井住友カードはGMOペイメントゲートウェイ、Visaと「次世代決済プラットフォーム事業」の構築を行う。

・みずほ銀行は2019年3月よりQRコードを活用した「J-Coin Pay」の提供を開始。スマホでの決済と金融機関の預金口座との入出金がいつでも無料でできる。

・前払い式にすることで全銀システムなどを経由することがなく、送金コストを削減できる。

・JCBは「Smart Code」を提供する。国際的な標準規格EMV仕様を準用しているため、海外のコード決済を導入する際に必要なシステム対応負荷の軽減にもつながる。

・キャッシュレス対応店舗が増えているのは、年々増加する訪日外国人観光客数とその消費額が背景にある。

・中国人が1.5兆円程度の消費額で全体の34%を占める。

・日本人はもともとテレフォンカード、交通系・流通系ICカード、ETCカードなどキャッシュレスとの接点が多い。

・利用のきっかけと習慣化の理由は利得生、利便性の2つが大きな割合を占める。

・キャッシュレスによる家計・資金管理にかかるPFMサービスの提供が加速している。(家計簿アプリなど)

・キャッシュレス決済サービスの林立により、選択肢が多すぎるなどの課題がある

所感

こういったレポートをただ読んで「ふーん、勉強になったなぁ」で終わってしまうとただの暇つぶしと変わらない。

それならこの時間でどこか遊びに行く方が楽しいに決まっている。

いつも書いているが、このサイトでは20代の若者がどうすれば仕事がうまくいくか?ということについて考えたことをメモしている。

だから、世の中のニュースなり、本なり、今回のレポートを読むときなどは、仕事にどうすれば繋がるかという視点を持ちながら読んでいきたい。

今の仕事とは関わりが薄い分野ももちろんあるが、後述するように今は転職することに違和感や抵抗は少なくなっている。

望む望まないに関わらず、将来、職業を変える可能性はあるのだから、その時にどのような仕事を選ぶかということを考えるのも、仕事につながるものだと思う。

もっと具体的に言うと、キャッシュレス決済に関する仕事を次の職業として選ぶのなら、どうすれば良いかについて考えたい。

課題からみるキャッシュレス関連企業の選択肢

レポートの中で日本がさらにキャッシュレス決済を進めるために解決しなければならない課題が4つ挙げられていた。

  • オペレーション
  • キャパシティ
  • セキュリティ
  • コスト

オペレーションは店舗が受け入れる際の契約手続きやネットワーク接続にかかるコスト、運用オペレーションにかかる負荷など。

キャパシティは国内の決済ネットワークや国内決済事業者のホストシステムの処理性能では耐えられなくなる可能性。

セキュリティはサイバー攻撃の脅威。

コストは決済ネットワーク利用料等の変動費負担が、事業者の終始構造を圧迫すること。

一般論として、顧客の課題を解決することで仕事として成り立ち、報酬をいただくことができると言われる。

そのため、キャッシュレス決済に関する仕事を選ぶのであれば、

これら4つの課題を解決できるサービスを提供する企業を探せば良いということになる。

それぞれに関する事業者が誰なのかと言うと、

オペレーションの部分で書かれている契約などの業務は、LINE PayやPayPayなどの各事業者がそれぞれ直接提供するので、

キャッシュレス決済のサービスを提供する企業が当てはまる。一番わかりやすい選択肢。

もう一つはJCBの提供するSmart Codeというサービスも含まれそうだ。

スマホ決済を導入している店舗は、大抵複数の決済サービスを導入している。導入の際、個別に契約や導入をするのはかなり手間がかかることが想像できるが、

JCBのSmart Codeはその手間を削減することができるというようにレポートからは読み取れた。

キャパシティは現在の「ホストシステムの処理性能では耐えられなくなる可能性が生じている。」とある。

システムやネットワークの分野はまだまだ勉強中だが、

ホストシステムというとIBMや日立のようなメインフレーム(大型コンピュータ)を提供する事業者につながる。

システムのインフラに関わる部分で重要ではあるが、キャッシュレス決済事業者向けにドンピシャでサーバを提供する企業があるのかはちょっとよくわからない。

大きな企業の一部門としてなら存在するかもしれないが、少し検索してみただけでは見当たらなかった。

セキュリティは単にセキュリティに関する事業をやっている企業なのでイメージしやすい。レポートの中ではAkamai technologyが挙げられている。7payが被害にあったことで改めてセキュリティに関する重要性も高まっていると感じる。

コストの課題は、決済ネットワークを利用する事業者にかかる負担が大きいという話だった。

そのため、決済ネットワークを提供する事業者が当てはまる。

少し検索してみたところ、日本カードネットワーク、NTTデータ、インテリジェントウェイブという会社がそれぞれ提供している。

加えて2020年から三菱UFJフィナンシャル・グループがAkamaiと共同設立したGO-Netが新しい決済ネットワークを提供する予定になっている。

今すぐ転職しないとしても労働力としての価値を高めておく方が良い

キャッシュレス決済の市場が今後伸びそうであることは、

前回にも書いた「政策に売りなし」という言葉と経済産業省が主導している政策である点から間違いないと考えている。

20代であれば就活をしていた頃からそれほどまだ時間が経っていないため、

会社を選ぶ時にどういう選び方や考え方をしていたか、おぼろげにでも覚えている人は多いと思うが、

自分自身を振り返ってみると、会社の事業内容、規模や知名度、平均年収、という点を重視して、

その企業の属する業界や市場が伸びそうだという観点を持って就職活動はしていなかった。(今の会社に入ったことを後悔はしていないが)

いつも同じような話ばかりしてしまうのだが、転職することはもはやおかしなことではない。

雇用の流動性が高くなればより当たり前のことになっていくはず。

将来、自分が転職することになった場合、自分の労働力としての価値をいかに高められているかが大事な点になる。

少子化で人材が少ないとはよく言われるが、だから応募することで必ず採用されるということでは全くない。

人材が足りていない、というのは「その仕事を全うするだけの能力のある」人材が足りていないという意味だと考えている。

だからキャッシュレス決済に関する分野に限らず、特定の分野・特定の企業で働きたいと思うなら、そのためにスキルを磨く必要がある。

キャッシュレスに限ったとしても選択肢は意外と多い。

課題として列挙されている4つの中から、自分の興味のある分野、仕事上関わっていた分野を中心に勉強する。

採用に応募した時にその勉強したことは必ず武器になるので、採用される可能性は高くなる。

とてもシンプルな例だが、4つの中でもセキュリティの分野が一番儲かりそうだと感じたのなら、キャッシュレス決済事業者向けのセキュリティ事業を行う会社を調べ、

採用条件を知り、そしてセキュリティの勉強をした上で応募する。このような動きが必要になる。

たとえ今すぐに転職を考えている訳ではなくとも、これからも同じ会社で働き続けたいと思っていても、

終身雇用はないことが明言されてしまっている。もしかしたら40代でリストラされるかもしれない。

これからは同じ企業で働き続けることの方が少なくなるかもしれないことを踏まえて、

もし別の仕事をするなら何が良くて、どういうスキルを身につけるかと言ったことは考えておいたほうが良い。

それが労働力の価値を高めることにつながると考えている。

 

参考

文中に出てきたレポートをここにまとめておく。

「日本再興戦略」

「平成29年度産業経済研究委託事業(我が国におけるFinTech普及に向けた環境性に関する調査検討)調査報告書」、野村総合研究所

単語

読んだり調べたりするうちにわからないことがまた出てきて調べる。のループに陥ることがよくある。今まさにそんな状態だが、ここにまとめておく。

  • 全銀システム
  • EMV
  • Felica
  • PFM

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