転職で年収は上がるのか?それとも下がるのか?

転職を含めた20代のキャリアを考える 20代
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ここ数年、転職をすることに対して抵抗はなくなってきている。

というより転職する人がいてほぼ当然と言ってもおかしくはない。

雇用の流動性が高まっていることは明らかであり、

働く期間が長くなるために、たった1つだけの企業で定年まで勤め上げるという働き方も、

今後は変わっていく可能性が高い。

また少子高齢化が進む中で企業は人材不足だと言われており、相対的に若い労働力の価値は高まっている。

いわゆるホワイト企業など条件の良い企業に転職することは簡単ではないが、

仕事を選ぶことさえしなければ働き口を見つけることはできる。

転職は自らのキャリアアップと生活の向上につながるため、転職をすることは非常に良い選択肢になる。

また、実際に転職をすることはないとしても、転職を検討すること自体は決して無駄にはならない。

一般的な転職に対する考え方はこのようなものだと思う。

しかし、転職することが一番良い方法なのだろうか?

職場環境、ワークライフバランスなど他にも大切なポイントは存在するが、

転職するとなった時に「年収が上がるかどうか」は特に重視すべき項目になる。

この点について、本当に転職することが正解なのか、

政府が出している資料とリクルートワークスが出している資料を見比べながら、

転職によって年収がアップするか、それともダウンするのかに注目して確かめてみたい。

結果だけ知りたいという人はまとめを読んで欲しい。

資料の概要

今回参考にしたのは、内閣府とリクルートワークス研究所が公表しているレポート。

政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―(内閣府)

全国就業実態パネル2017年 リクルートワークス研究所

これらのレポートから、転職による年収の増減に関するデータを引用する。

内閣府レポート

男性、大卒、正規社員の転職回数別の所得分布のグラフを引用する。

グラフの見方は、右に行くほど年収が高く、上に行くほど割合が高い(人数が多い)。

グラフが山のような形になっているが山の頂上が右に行くほど高年収の人が多いことを表す。

30代、大卒以上の転職回数別の所得分布

出典:政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―(内閣府)

40代、大卒以上の転職回数別所得分布

出典:政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―(内閣府)

50代、大卒以上の転職回数別所得分布

出典:政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―(内閣府)

図の中に説明があるが、青い線が転職なし赤い線が転職1回黄緑の線が転職2回になっている。

この3枚のグラフからわかるのは、30代では転職回数によっては所得はあまり差がないが、

40代、50代と進むにつれて転職なしの人の方が所得の平均は上昇している。

また、所得が高い人の割合も転職なしの人が一番多い。(グラフが右に動いている)

リクルート

ここでは、リクルートワークス研究所のレポートから作られた日経の記事から、

転職後1年目、2年目の年収の増減を示す表を引用する。

転職後の年収の増減の表

正社員だけ見れば、転職後2年目では47.1%の人が年収が10%以上アップしている。

年代別の転職後の年収の増減表

正社員の中でも、35歳以降は転職後1年目の年収は10%以上ダウンすることが多いが、

転職後2年目は転職前と比べて年収が10%以上アップすることも多い。

レポートからわかること

  • 若い正社員は転職後の年収は上がりやすい
  • 中年以降の正社員も転職後2年目なら比較的年収は上がりやすい
  • 非正規社員は転職後の年収は下がりやすい
  • 大卒の男性正社員は長期的には転職回数が少ない方が所得が高い

ということになる。

まとめ

2つのレポートからわかることを一言でまとめると、

転職直後は年収が上がりやすいが、長期的には転職回数は少ない方が所得は高くなる。ということ。

ただ、40代、50代の年収は年功序列型の報酬体系が当たり前の環境で働いていた世代。

くら寿司の新卒を1000万円で雇用するニュースなどのように、

特定の経験や技術を持つ人材は相当に良い待遇で企業が雇い入れる動きがあるため、

これからはスキルベースで評価される企業が増えていくことが考えられる。

そのため、転職回数が少ない方が年収は高くなる状況は変化するかもしれない。

まあ、実際にはやはり大企業の正社員として転職せずに働くことが比較的リスクが低く、所得も高くなるのは変わらないとは思う。

しかし、これはあくまで統計上の話。どのようなことにも必ず例外は存在する上に、働く環境はこれからどんどん変化していく。

転職を本気で考えるほどの事情があるならば、これらの結果だけを見て諦める必要はない。

人生が良い方向へ進むために動き続けることは大切なことだと私は思う。

本気で自分の人生のことを考えられるのは家族と自分自身しかいない。

転職サイト、直接応募、人伝てなど、転職に至る道も1つだけではない。

求人情報にまずは当たってみて、実際に面接で聞いてみる。

そして条件を知った上で、現状よりも良くなりそうなら転職すれば良いし、

現状よりも良くなる見込みがなければその企業への転職は辞めておく。

現状では良い企業が見つかりそうにないなら、勉強でも何でもやってからリベンジする。これを繰り返すだけである。

統計だけでは自分の人生は決定づけることはできない。

また、転職も副業もあくまで手段でしかないと私は思う。

年収アップ、ワークライフバランスの向上、その他大事にしたいことは人それぞれだが、

その目標が達成できれば転職しようがしまいが関係はない。

だから改めて本業に集中して仕事をするという選択肢ももちろん存在する。

自分に合う方法を見つけるためにできるだけ情報を集め、内容を吟味した上で判断するのがベストだと私は考えている。

参考

この記事を書くにあたって参考とさせて頂いたものをここにまとめる。

政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―

「転職すると年収が下がる」は本当か? データで検証

全国就業実態パネル2017年 リクルートワークス研究所

 

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