ドトールコーヒー「勝つか死ぬかの創業記」を読了[レビュー・感想]

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本を読んで思わず本店に行ってしまうほどに面白かったのでこの記事でまとめたい。

「ドトールコーヒー 「勝つか死ぬか」の創業記」を読んだ。

タイトルの通りドトールコーヒーを創業した鳥羽博道さんが著者の本。

先日、お勧めされたので読んでみることにした。

経営者が書いた本を今まであまり読んだことがなかったが、その考え方や人物像が文章から伝わってきて、経営者とはこういうものなのかと感じた。

読んでみた結果、その週末に渋谷区にあるドトールの本店に行ってしまうほどには引き込まれたように思う。

鳥羽博道さんの考え方

印象に残った部分や勉強になった点はいくつもあるのだが、その中でも特に印象深かった点に絞ってまとめる。

お客様に喜んでもらう

第一に、「お客様に喜んでもらう。」この考え方をもち、大事にするべきであることが全体を通して強調されていた。

顧客第一主義を掲げている企業はたくさんあるが、本当に実践できているか?

ドトールでは店内の配色、インテリア、レイアウトなどにまで徹底的にこだわって作り上げているが、

それらは全て「お客様に安らぎと活力を提供する」ためだと書かれている。

初めて店長を任された時、店舗経営が軌道に乗り始めた段階で「お客様が喜ぶことを考えていれば仕事になる」という一文があったのだが、こんな考え方を自分はしたことがなかった。

そして、提供するサービスで喜ばれた対価としてその報酬を受け取っているとある。

正直、会社の先輩や上司にこのようなことを言われてもピンとこないのだが、

ドトールコーヒーを作り上げた鳥羽さんの話す言葉ならそういうことなのだろうと感じる。

1代で上場企業にまで上り詰めた会社の創業者である。それ以上に説得力のあることはない。

負けん気

著者の鳥羽さんは、諸々の事情があったために高校を中退して上京することになった。

その時は将来に対する漠然とした不安をいつも抱えていたとのことで、

それと同時に今自分と同い年の人たちはのほほんと学校に通っているのだろうが、

彼らが社会に出てきたときには絶対に負けたくないと書かれている。

また、勝負に負けたくないという気持ちを川に序盤と後半の2回に分けて繰り返し書いている。

前述の「お客様を喜んでもらう」ことと、同じかそれ以上に絶対に他人に負けたくないという強い気持ちを持っていたことがわかる。

使命感

また、上京して勤め始めた喫茶店の業界を変えたいという気持ちを持って働いていたそうだ。

もともと、喫茶店はあまりイメージの良くない業界だったらしい。

コーヒーを楽しむというよりは、席を貸すついでにコーヒーが付いてくると行ったもので、コーヒーを飲むよりも別の目的のために利用されることが多かったと書かれている。

店内も暗くて清潔な状態ではなく、喫茶店に入ることはもちろん、喫茶店自体によろしくないイメージがあった。

鳥羽さんは欧州視察で訪れた店で感銘を受け、

喫茶店とは暗くて不潔で悪いイメージがつきまとうようなものではなく、

安らぎや活力が提供できるような店、誰もが楽しめる明るくて清潔な喫茶店であるべきであり、それを目指して働いていたそうだ。

私たちは、少し時間を潰そうと考えた時は何気なく喫茶店を利用する。

しかし、本に書かれているような暗くて不潔なイメージは全くない。

全面ガラス張りで店内はよく見えるし、最近は完全分煙のお店も増えてきたことから居心地はとても良い。店内もオシャレな店が多い。

だから喫茶店に入ることにあまり良くないイメージを持っていたということが意外だと感じたが、

それは喫茶店業界を変えたいという考えを持って鳥羽さんが動き続けた賜物なのだと思う。

危機感

顧客本位、使命感とともに特に印象に残ったのは危機感を常に持っているということ。

上京した直後と20代は将来に対する漠然とした不安に突き動かされていたのだそうだ。

また、出店する際の資金として用意した700万円を騙し取られたこともあり、

どんなにうまくいっている時でも「また落ちるぞ」という声が聞こえてくると書かれている。

普段仕事をしていても、ちょっと手を抜いたり気を抜いてしまう瞬間はたくさんある。

しかし、ドトールの創業者が慢心することなく、油断することなく仕事に当たらねばならないと言っているのに、

1労働者である自分が手を抜いたりしていて良いはずがない。

こだわりの深さ

最後に、ドトールの良さにはそのこだわりの深さがあると感じた。

サービスの質を向上させるためにどんなことにもこだわりを持って仕事をすることの大切さが書かれている。

実際に豆、コーヒーの味、ソーセージ、パン、マスタード、店舗のエクステリア、インテリア、カラーデザイン、看板、ロゴなど、様々なことを例に挙げて質の向上に取り組んできたことが書かれている。

こだわりは商品だけに対するものではない。例えば徹底的な機械化がある。

それほどまでにこだわって作り上げたお店は一体どうなっているのだろう?と思い、

実際にドトールコーヒーの本社1階にあるドトールコーヒーショップに行ってみた。

すると、注文を受けてからの工程はたった一つ。コーヒーのサーバーのボタンを押すだけである。

コーヒーの種類ごとにサーバーが決まっており、注文が入ったらカップを置いてボタンを押すだけになっている。

他に食べ物などの注文もあれば別の調理専門の店員がすぐに調理を行ってはいるが、

それも事前に食材がすぐに調理できる状態で置かれていて、客を待たせることがない工夫が凝らされている。

水はセルフサービス。フレッシュと砂糖もセルフサービスにしているので、店員の手がかからない。

そうすることで徹底的に接客効率を向上させていることが見て取れた。

他には店内のカラーデザインがある。

本の中では色彩心理学という本を購入して勉強にのめり込んだと書かれていた。

中でもクリーム色は愛情を示す色であり、赤茶色は活力を示すそうだ。

そして実際にドトールの本店ではカウンターの後ろは赤茶色になっており、それ以外の場所ではクリーム色の色になっていた。照明も同様のクリーム色に近い色になっている。

最後にジャーマンドッグ。魚臭さの残る魚肉ソーセージではダメだということで、ヨーロッパに視察に赴いた際に輸入しようとしたそうだ。

しかし、諸々の問題で叶わず、国内で作ることになった。

そこでドトールで提供できる最高のジャーマンドッグを作るという目的のもと、

国内で一番美味しいソーセージを作る会社にパンまで持ち込んで開発にのめり込んだそうだ。

その際には「パンを持ってきたのは初めてです」とまで言われたが、

そのパンさえも徹底的に選び抜いた末に持ち込んだものであり、

さらにはマスタードもたくさんの中から一つずつ味を見て絞り込んで行った。

渋谷区神南にあるドトールの本店に行こうと思ったのは、このジャーマンドッグにこだわりを持って作り上げたという部分を読んで興味が湧いたからだった。

実際に食べてみるとやはり美味しかった。ペロリと食べあげることができてしまったので、もう一つ注文しようかと思うほどだった。

他にもこだわりを持ってつくりあげたものはたくさん挙げられている。

実際にお店に行ってみて気づいたのは、店内の作りは適当に決められたわけではなく、一つ一つに意味があるということ。

洗い場の壁は緑色で照明が暗くなっており、客からは目立ちにくくなっている。

隣のカウンターは反対に明るい照明があり、洗い場の方により視線が向かない工夫がされているようだった。

まとめ

自分自身がドトールの創業者である鳥羽さんのように動いて成功することは難しいかもしれないが、

それでもこの本から学ぶべきことや実践すべきことは多い。

どうすれば相手が喜ぶかという考え方は仕事に限らず人と接する時はいつでも役に立つ。

質にこだわることは仕事の成果の向上に役に立つ。

一労働者としては毎月給料が振り込まれるのだから適度に力を抜いたほうが良いと思わなくもないのだが、

副業や自分で商売をしている場合は、全く異なる。

どんな事業をしていたとしても、商品やサービスの質の高さや相手がどうすれば喜んでもらえるかということは売り上げや収益に直接結びつくことになる。

できる限り鳥羽さんと同じ考えを持って過ごすようにしたい。

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