IT業界の業界研究について

この記事は約6分で読めます。

この記事は以下の学生を対象にしています。

  • ITの仕事に興味がある
  • ITの業界研究をしたいがやり方がわからない
  • そもそもIT業界が何のことかよくわからない

後でも書いているが、IT業界というのは存在しない。

代わりにITに関する仕事はほぼ全ての企業に存在する。

研究をするといっても対象となる企業・業界の幅が広すぎることがITに関する業界研究を難しくしている。

この記事を読むことでITという広すぎるくくりから一歩進んで絞り込むことができるようになる。

また、NTTなどを含む「ITサービス業」という分類であれば業界地図に掲載されているので記事の後半で紹介する。

「業界研究 IT」は対象となる企業が多すぎる

「業界研究 IT」と検索してみても、あまりイメージがわかないのではないだろうか?

正直、この2語だけでどんな企業があるかと聞かれたら、社会人でも少し答えづらい。

せいぜいNTTがすぐに思い浮かぶ程度になる。

その理由は簡単で、ITの言葉に含まれるものが多すぎることにある。

NTTはネットに接続するためのサービスを提供しているが、

インターネットを利用するためにはそもそもコンピュータが必要になる。

企業向けの高性能なコンピュータは日立やIBMなどのメインフレームを提供しているが、

富士通、ソニー、アップル、ファーウェイなどが提供するパーソナルコンピュータやスマホもある。

さらにはそれらを組み立てるために必要な部品を製造する東芝、シャープ、東京エレクトロンなどが存在する。

インターネットを利用するために必要なサービス、物理的な端末・部材を提供する企業群が存在する一方で、

インターネットに接続してから利用するアプリケーションを提供する企業も数多く存在する。

すぐに思い浮かぶのはスマホやネットを通じてゲームを提供する企業だが、

その他にも業務用のシステム開発を行う企業や、ERPをパッケージにして販売する企業などがある。

そして、それらのサービスを提供するためのサーバを、クラウド形式で提供するグーグルやアマゾンなどがある。

またこれらの企業はクラウド事業にも検索サービスや物販などそれぞれ独自の事業を持つ。

さらに言えば全ての企業は生産活動を行う際には必ず電力を必要とする。

その電力を提供する企業、管理して提供するための計測機器を開発し、それを利用して保守運用を行う企業など。

考え出せばキリがないほどにITと関わりのある企業は存在する。

IT以上に異業種との交わりが大きい仕事はない

前の項目で書いているように、ITという単語に含まれるものは非常に多彩になっている。

そのために、「業界研究 IT」と検索しても幅が広すぎて調べようがない。

だからイメージも湧きにくく、業界研究のやりようもない。

しかし、逆に言えばITはそれほどにまで幅広い関わりを持つということでもある。

というよりも、IT部門は企業の数だけ存在していると言う方が正しい。

業界研究をする上では少しやりにくく感じるが、実際のところメリットでもある。

ほぼ全ての企業にITや情報システム系の部門が存在するということは、

ITに関する知識・経験を蓄えておけばほぼ全ての企業で働くことができることを意味する。

今自分が文系だとか理系だと言うのは関係がない。

学生時代に理系ではないからと言ってITに関する仕事を選択肢から外す必要はない。

働きだしてから得られる知識や経験の方が多いのだから。

むしろ、ITに関する仕事について興味を持っているあなたはとても先見性がある。

それをキャリアのファーストステップとすることはとても良い選択肢になり得る。

 

ユーザとベンダに分けて絞り込む

ITに関連する企業を数えだせばキリがないと書いた。

金融であろうが商社であろうが例外はなく、企業の数だけITの仕事が存在する。

コンピュータを用いて仕事をする以上、それらの面倒を見る者が必要になることが理由になる。

ITに関する仕事は幅広いため、様々な視点から業界、業種、企業を絞り込むことが必要だが、

その方法の一つとしてユーザとベンダに分ける方法がある。

簡単に言えば、ユーザはサービスの利用者、ベンダはサービスの提供者という分類になる。

(業界や業種の枠を超えた分け方になりますが、あまり紹介されない方法なので記載しています。

これ以外の枠組みや分類方法も調べた方が良いでしょう。)

大学には成績の確認、履修登録、図書館での検索画面、会議室の予約画面などがある。

それらは機能ごとに別々のシステムとして動いていることが多い。

私たちはそれらの利用者側なので使えなくなるかといったことを気にすることもないが、

大学側はそれらが突然使えなくなることがないように常に管理をしている。

もし、障害などが発生した場合はそのリカバリを行う必要があるし、機能の改善・拡張を行うこともある。

障害発生時などは原因の特定と対策をユーザである大学の担当者とベンダ側で話し合い実行する。

機能の改善・拡張などを行う際はユーザである大学はサービスの提供者であるベンダに仕事を依頼することになるが、

どちらにしても学内のシステムについて詳しく知っている者が必要になる。

誰もシステムのことについて知らなければ、ベンダから障害発生の理由や対策を聞いても話をよく理解することができないし、

システムのどの部分をどのように改善してほしいのかを伝えることができなくなってしまう。

そのため、ユーザ側にも詳しい担当者が必要となり、それは金融や商社をはじめとして全ての業界で変わりない。

大学を例に挙げて書いているが、企業でもおおよそ同じような動きをする。

どちらに就職する方が良いかという点で考えると、それぞれ一長一短になる。

ユーザ企業のIT部門で働く社員の仕事相手は、社内でそのシステムを利用する部署になる。

どのようなシステムを導入するか、既存のシステムをどのように改善していくかといった企画を行うことはあるが、

ベンダから提供された後はその使い方や利用方法などについてプロモーションと問い合わせ対応を行う。

システムについて知っておく必要があるので、基礎的な知識を身につけることにはなるが、

ユーザ企業では環境の構築や実際のシステム開発はほとんど行わないこともある。

こうした状況を見て自嘲的に「ただの事務屋」だと言う社員がいる。

また、実際に動くものを作ることができるわけではないので、

40代を超えてからキャリア上の競争に負けた場合は中々大変なことになる可能性がある。

直接利益を生み出さない部署(コストセンター)にいるので、売り上げや事業環境の悪化の際には真っ先に何かの対象となる。

一方で、ベンダは実際に環境の構築やシステムの開発など実務を行うことになるため、

専門性という点ではユーザよりも圧倒的に身につけることができる。

ただし、商慣行とでも言えばいいのか、ユーザは立場は自分の方が上だとでも考えているかのような言動をユーザからされることがある。

立場上、ユーザは顧客でもあるので仕方ないのかもしれないが、サービスを提供する側であるベンダ特有の精神的な苦労がある。

また、自分が希望する案件に携われるとは限らない上に、業務上必要な技術が世の中の潮流として必要でない場合もある。

いくら専門性を身につけたからといって、それが世間的に需要のないものであれば意味がないということは忘れないようにしたい。

このように、ユーザとベンダに分けて考えてみる方法がある。

 

コメント